RaycastからMaccyへ乗り換える:何が変わるのか、どう設定するのか
RaycastからMaccyへの乗り換えは10分ほどで終わりますが、これまでの履歴は引き継げません。Maccy Appは、履歴をローカルに保存する無料のオープンソースのmacOS専用クリップボードマネージャーです。置き換わるのはRaycastの「Clipboard History」コマンドだけで、Raycast本体ではありません。そのため、Raycastはランチャーとして残し、クリップボードの管理だけをMaccy Macに任せる人が多くなっています。
なぜRaycastのクリップボード履歴から離れる人がいるのか
Raycastは優れたランチャーで、クリップボード履歴の機能も十分に使えます。乗り換える理由は、思想的なものよりも実用面のものがほとんどです。
- 用途の絞り込み。ランチャーの中にクリップボード履歴があると、小さな作業のために大きなツールを開くことになります。Maccyは開いて、検索して、貼り付けて、すぐ消える。それだけです。
- オープンソースで中身を確認できること。Maccyのコードは公開されています。コピーしたものすべて(うっかりコピーしてしまったパスワードも含めて)をソフトウェアがどう扱うかが気になる人にとって、ソースを読めることは大きな意味があります。
- アカウントもクラウドも不要。Maccyのデータはお使いのMacの中にあり、どこにも同期されません。
- コストとプランごとの制限。Raycastのクリップボード履歴の保持期間は、プランによって異なってきました[要確認:現在の無料版とProの制限]。MaccyはGitHubまたはHomebrewから入手すれば無料です。
だからといって、Raycastがすべての人にとって間違った選択になるわけではありません。拡張機能やAI機能を活用しているなら、そのまま使い続けて問題ありません。この記事は、専用のクリップボードツールがほしい人に向けたものです。
Raycastのクリップボード履歴とMaccy:実際のところ何が違うのか
| 項目 | Raycast Clipboard History | Maccy |
|---|---|---|
| 機能の範囲 | フル機能のランチャー内のコマンドのひとつ | クリップボード履歴のみ |
| ソースコード | クローズドソース | オープンソース |
| 価格 | 無料プランと有料のPro[要確認:プランごとのクリップボード関連の制限] | GitHub / Homebrewなら無料。Mac App Storeでも販売 |
| アカウント | 多くの機能でRaycastアカウントを使用[要確認:クリップボード機能の場合] | 不要 |
| デバイス間の同期 | クリップボード機能の主眼ではない[要確認] | なし(設計上の方針) |
| 検索 | あり | あり。入力しながら検索(デフォルトはあいまい検索) |
| お気に入りのピン留め | あり | あり |
| 特定アプリの除外 | あり[要確認:正確な設定項目] | あり(設定 → 除外) |
| 拡張性 | 豊富な拡張機能ストア、スニペット、スクリプト | なし。ひとつの仕事に徹している |
守備範囲の広さではRaycastが上です。一方、Maccy Clipboardは小さく、中身が見えて、挙動が予測しやすいという点で優れています。
手順ガイド:RaycastからMaccyへ移行する
1. Raycastから必要なものを控えておく
インポートはできないので、RaycastのClipboard Historyを開き、あとでまた使いそうなものをコピーして別の場所に保存しておきましょう。繰り返し使うコマンド、住所、コードスニペット、定型文などが対象です。何度も貼り付けるようなものは、履歴リストに置いておくのではなく、きちんとしたスニペットツールやテキスト展開ツールに移すほうが向いています。履歴は、再利用するテキストの置き場所としては長続きしません。
2. Maccyをインストールする
いちばん簡単なのはHomebrewを使う方法です。
brew install maccy
プロジェクトのGitHubページからリリースをダウンロードすることもできますし、開発を支援したい場合はMac App Storeで購入する方法もあります。お使いのMacで必要になる最低macOSバージョンは、リリースノートで確認してください[要確認:現在の動作要件]。
3. 求められる権限を許可する
最前面のアプリに直接ペーストするには、Maccyに「アクセシビリティ」の権限が必要です(システム設定 → プライバシーとセキュリティ → アクセシビリティ)。許可しなくても、Maccyはクリップボードに項目をセットするところまでは動作しますが、その場合は自分で⌘Vを押す必要があります。ペーストしても何も起きないときは、まずこの権限を確認してください。
4. Raycastとぶつからないホットキーを決める
Maccyの設定を開き、グローバルショートカットを設定します。Maccyのデフォルトは⇧⌘Cです[要確認:現在のバージョンの場合]。RaycastのClipboard Historyに⇧⌘Vのようなキーを割り当てている場合は、併用している間は別のキーにしておきましょう。Maccyで行くと決めたら、指に馴染んでいるほうのキーに付け替えれば大丈夫です。Raycastから移ってきた人は、以前使っていたショートカットをそのままMaccyに割り当てることが多いようです。
5. 数日間は両方を併用する
どちらのアプリもmacOSのペーストボードを個別に読み取っているので、ホットキーさえ重ならなければ衝突しません。それぞれに同じコピー内容が記録されることは想定しておいてください。普段はMaccyを使い、足りないと感じたときだけRaycastに戻るようにします。数日続ければ、本当にフォールバックを使う場面があるのかどうかがわかります。
6. Raycastのクリップボード履歴をオフにする
使えると確信できたら、Raycastの拡張機能設定でClipboard Historyコマンドを無効にし、保存されている履歴も消去します。これまでコピーしたものすべてが二重に残っている状態を解消できるので、機密性の高い内容を扱っていたなら特におすすめです。
Maccyを使い慣れた操作感に近づけるには
- キーボード中心の操作にする。メニューを開き、入力して検索し、Returnで貼り付ける。この流れは、Raycastで身につけた操作とほぼ同じです。
- よく使うものはピン留めする。項目を選択して⌥Pを押すとピン留めできます[要確認:ショートカット]。ピン留めした項目は常に上部に表示され、履歴を消去しても残ります。
- 誤コピーはすぐ削除する。項目をハイライトして⌥⌫を押すと削除できます[要確認:ショートカット]。秘密情報をうっかりコピーしてしまったときに便利です。
- 履歴の保存数を調整する。デフォルトは控えめな件数です。長く遡りたいなら設定で増やし、ディスク上に残すデータを減らしたいなら減らしてください。
- ペースト時の動作を選ぶ。Maccyには、自動でペーストする設定や、書式を取り除く設定があります[要確認:正確な項目名]。最終的に、書式なしテキストでのペーストに落ち着く人が多いです。
乗り換え後、プライバシー面で特に大事な設定は?
クリップボードマネージャーはコピーしたものを何でも記録するため、最初に数分かけて設定しておく価値があります。
- パスワードマネージャーを除外する。Maccy → 設定 → 除外 で、コピー内容を絶対に保存したくないアプリを追加します。多くのパスワードマネージャーは、コピー内容を「機密」や「一時的」なものとしてマークしており、Maccyも特定のペーストボードタイプを無視できます[要確認:現行バージョンでの具体的な一覧]。それでも、アプリ自体を明示的に除外しておくほうが、二重に守れて確実です。
- 自分の習慣に合わせて定期的に履歴を消去する。機密性の高いテキストをよくコピーするなら、一日の終わりに履歴を消去しましょう。
- ローカル保存であることを忘れない。履歴がMacの中に留まるのは利点ですが、裏を返せば、保護の強さはディスクの保護と同じということです。FileVaultはオンにしておくのがおすすめです。
Raycastから失うものは?
何かをアンインストールする前に、正直に整理しておきましょう。
- クリップボード以外のすべて。ウィンドウ管理、スニペット、Quicklinks、拡張機能、計算機など、ランチャーとしての機能全般です。Maccyはこれらの代わりにはなりません。
- エコシステムとの連携。クリップボードの内容を利用する拡張機能やワークフローがあっても、Maccyの履歴は参照されません。ただし、現在のクリップボードの中身は従来どおり読み取れます。
- デバイス間の継続性。複数のMacにまたがって履歴を引き継ぎたい場合、ローカル専用のMaccyでは実現できません。
多くの人にとって現実的なのは、両方を使う構成です。ランチャーはRaycast、クリップボードはMaccyという分担ですね。Raycastから完全に離れたい場合は、ほかの機能の代替も用意する必要があり、それはまた別のプロジェクトになります。
乗り換えでよくあるトラブルと対処法
ペーストしても何も起きない
Maccyのアクセシビリティ権限を確認し、そのあとMaccyを終了して再起動してください。
ホットキーを押すと別のものが開く
2つのアプリに同じショートカットが割り当てられています。MaccyまたはRaycastのホットキー設定で、どちらかを変更してください。
コピーしたはずの項目が表示されない
設定 → 除外 を開いてコピー元のアプリが除外されていないか確認し、Maccyが起動しているかどうかも見てください(メニューバーに常駐しています)。
Raycastより履歴が少ない気がする
設定で履歴の保存数の上限を引き上げてください。
よくある質問
Raycastのクリップボード履歴をMaccyにインポートできますか?
できません。標準のインポート機能はなく、2つのアプリは履歴をそれぞれ独自の形式で保存しています。必要なものは乗り換え前にコピーして控えておき、Maccyは空の状態から始めてください。
RaycastとMaccyを同時に使えますか?
使えます。どちらもシステムのペーストボードを個別に監視しているので、ホットキーを別々に割り当てるだけで大丈夫です。同じコピー内容が両方に記録される点は想定しておきましょう。
MaccyはRaycastの完全な代替になりますか?
なりません。Maccyが扱うのはクリップボード履歴だけです。Raycastはほかにも多くの機能を備えたランチャーなので、Maccyが置き換えられるのはその一部分にすぎません。
Maccyは複数のMac間でクリップボード履歴を同期しますか?
同期しません。設計上ローカルファーストで、履歴はコピーしたそのMacの中にだけ残ります。
まとめ
Raycastの中で毎日使っているのがクリップボード履歴だけなら、Maccyのほうがすっきり収まります。小さく、オープンソースで、初期状態からプライバシーに配慮された作りです。Raycastのほかの機能が気に入っているなら、どちらかを選ぶ必要はありません。ランチャーはそのまま残し、クリップボードをMaccyに任せて、乗り換えを決める前に数日間の併用期間を設けてみてください。Maccyを試して、このシンプルなツールが自分に定着するか確かめてみましょう。
「これがないと困る」というクリップボード操作はありますか? まずはそれから試してみてください。
